愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
それから、他愛のないことを含めて、電話やLINEで語り合う、あの日常が帰って来た。


頻度がだいぶ上がっちゃったのは、やっぱり離れていた反動。過ぎてみれば、半年くらいだったのに、とてもそうは思えないくらい、長く感じてた。


私達の為に、いろいろ動いてくれた高校時代からの親友、仲間達も大いに喜んでくれた。


このところ、開催が滞りがちだった定例会も、悠が自宅に招待してくれて、久しぶりに集まれた。


舞ちゃんが3歳、翼くんが1歳半になって、一段と賑やかになった白鳥家。先輩は仕事で留守だったけど、お陰様で楽しいひと時を過ごせた。


「加奈達が波瀾万丈だったのは、ある程度仕方ない面があるけど、まさか由夏達まで、こんな展開があったとはねぇ。」


なんて悠が言うから


「何、言ってるの?大学卒業間際になって突然、妊娠したから、結婚しますって言い出したあなた達には、負けるんだけど。」


と言い返してやると


「あ、そっか。」


で大笑い。


「でも、いよいよ次は由夏だね。」


と加奈。


「そう、かな・・・?」


と照れ臭そうに私。


「具体的な話は?」


「まだ。でも今度、帰って来たら、聞いて欲しいことがあるとは言われてる・・・。」


「そっか。」


もちろんそれは・・・理解した悠がニッコリと頷いた。


「取り敢えず、年明けからは、仙台に行くつもり。そうなったら、2人にもなかなか会えなくなっちゃうな。」


「そっか、今度は私達が遠友になっちゃうわけか。寂しくなるね。」


私の言葉に、加奈がそう答えると、一瞬、沈黙が流れてしまったけど


「でも、それは由夏が幸せになるってことだもの。喜ぶべきことだよ。」


そう言ってくれた悠の言葉に


「そうだね。愛する人と一緒にいられる、それ以上の幸せはやっぱりないもんね。」


加奈が実感を込めて頷く。


「でもわかんないよ。聡志のことだから、なんかトンチンカンな別のこと、言って来るんじゃないかと、ちょっぴり心配なんだ。」


とおちゃらけて、私が言うと


「まさか。そんな波瀾万丈はもういらないよ。」


悠がそう返して来て、また3人で大笑い。


「でも私さ、結局、プロポーズされてないんだよね。」


笑いが収まったあと、悠がちょっと、しんみりした口調で言い出す。


「この子が出来たって、わかってから、大学卒業も重なって、とにかくバタバタのうちに、物事が進んで行ったから。その時は無我夢中で、そんなことを考える余裕もなかったけど、今にして思うと、大切な思い出を作り損なっちゃったなって、後悔はあるな。」


おもちゃで遊ぶのに飽きて、じゃれついてきた舞ちゃんを抱っこしながら、悠は言う。ちなみに翼くんは、私達が来て興奮して、大はしゃぎの挙げ句、現在お昼寝中。


「塚原くんは、どんな素敵な思い出を、由夏にプレゼントしてくれるのかな?」


「塚原くん、ああ見えて、結構ロマンチストだからね。きっといろいろ考えてくれてるよ。楽しみだね、由夏。」


と冷やかし半分で言って来る加奈に


「ちょっと、期待値勝手に上げないでくれる?」


と言いながら、私もちょっと期待してしまっていた。
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