愛を贈りたいから〜これからもずっと〜

「おはよう。」


「おはようございます。」


そう言いながら、隣の所長室から出て来たのは、平賀慎(しん)さん。この会社の営業主任を務める今年33歳になるナイスガイ、ちなみに独身。


私達の挨拶に笑顔を返すと


「すまないなぁ、毎朝。」


と私達を労う。


「いえ、大丈夫です。自分達で決めた事なんで。」


私がこう答えると


「君達のやる気とボランティア精神にすっかり甘えてしまってるよなぁ。みんなが正社員登用されたら、ちゃんと以前のように当番制にするから。」


「はい、大丈夫です。」


「じゃ、よろしくな。」


と言い残して、平賀さんはオフィスを出る。と言っても、私達に渡す飲み物を買ってすぐ戻って来るんだろうけど。


そうこうしているうちに、徐々に先輩社員が出勤して来る。そんな彼らに私達は手分けして、モーニングコーヒーを煎れて行く。


「ありがとう。」


先輩達はみんな、そう言って笑顔をくれる。なんともアットホームな雰囲気の職場だ。


やがて、チャイムが鳴り、朝礼が始まる。主導するのは平賀さんで、前日までの状況、本日の業務の流れを全員で確認する。


「それでは、本日もよろしくお願いします。」


最後に平賀さんがこう締めて、いよいよ1日がスタートして行く。