愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
神父さんの前に、立った私と聡志。


それから式はつつがなく、進んで行く。


「病めるときも、健やかなときも、愛を持って、お互いを助け合うことを誓いますか?」


そう神父さんに問われ、まず聡志が、次に、私が


「はい、誓います。」


と力強く答える。


それから、指輪を交換し、結婚証明書にサインをして、誓いのキスを交わして・・・私達はついに正式に夫婦になった。


腕を組んで、みなさんに見送られて、私達はバージンロードをまた歩む。


フラワーシャワーはやっぱり感動した。そして、女子のみなさんが、お待ちかねのブーケトス、私が投げたブーケを見事、手にしたのは・・・美優だった。


「やった〜、由夏ありがとう。」


私から少し遅れて、JFCを退社した美優は、現在は別の会社でOLさんを。何やら、気になってる人がいるそうで、これでアタックする勇気が出たと大喜び。


一方、美優に完全に振られた形になったノムは、ターゲットを希に変更して、奮闘中みたいだけど、なかなか色よい返事は貰えないらしい・・・。


その後は、1回控室に戻り、披露宴に備える。すると、親戚や友人達が、入れ代わり立ち代わり現れては、綺麗を連呼してくれる。こんな時に、マイナスの感想を述べる人なんかいないのは、わかってるけど、でもやっぱり嬉しいものだ。


そんな中に、平賀さんと陽菜さんがいた。私が退職して、間もなく、陽菜さんから告白して、付き合い始めたお二人は、ゴールインも間近のよう。


「もう少し、会社が落ち着いたら、陽菜と2人で独立して、やって行こうと思っている。」


「そうなんですか?凄いじゃないですか。」


「まだまだ先の話だけどね。でもそうなったら、由夏にデザインの外注、出すから、よろしくね。」


「本当ですか?ありがとうございます!」


そんな話で、盛り上がった。


そしてもう一組。


「岩武さん、塚原くん。」


「長谷川さん。」


なんと長谷川さんが来てくれた。そして、その横には、神くんがいる。そう、2人も今やカップル。結びの神は・・・一応私達。


私と仲直りしたあと、聡志は長谷川さんに連絡を入れた。私達のことに巻き込み、彼女を傷付けてしまったことを謝る為に。


聡志は着拒されたり、罵声を浴びせられるのを覚悟していたけど、長谷川さんは、あっさりと電話に出た。会ってお詫びがしたいと言う聡志に


『お気持ちだけ、頂いておく。今回のことで、私が全然傷付いてないなんて、強がりを言うつもりはないけど、でも元を正せば、私の横恋慕から始まったことだから。自業自得だよ。だからもう・・・。あなたと岩武さんのお幸せを心からお祈りしてます。』


そう答えて、彼女は電話を切ったそうだ。
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