愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
私が就職した㈱JFCは、あるアパレル企業のデザイン部門が分離され、別会社となった設立4年目の新興企業だった。
従業員わずか20名程の小さな会社で、そのオフィスは、独立前の部のスペースを、そのまま親会社から間借りしてる形だった。
本社の建物自体は、契約している清掃会社が毎日清掃に入るが、独立して別会社になった我が社のスペースは、その対象ではなく、清掃会社を自力で頼む余裕もなく、結局自分達で、清掃をするしかなかった。
それを知った私達新人が、まだ仕事もちゃんと出来ないからと、先輩達に代わって、朝の清掃を買って出たのであって、決して強制や押し付けでやってるわけじゃない。
会社は親会社の仕事をメインに、他企業の下請け業務も一部請け負っている。
所長以下の役職者は本社役職との兼務者がほとんどで、実際にはあまりこちらには顔を出さず、営業部門の責任者である平賀さんが事実上のトップとして、実務を仕切っている。
お世辞にも大きな会社ではなく、親や友達にも心配されたが、別会社とはいえ、親会社のデザイン開発は一手に引き受けているし、他社との取引も徐々に増えている。
それに、なんと言っても私は、平賀さんと一緒に仕事がしたかったんだ。私と平賀さんの出会いは、ある企業のセミナ-で、講師に招かれていた平賀さんの話を聞いたことだった。
その時、私は平賀さんに惚れ込んでしまった。もちろんそのイケメンぶりにも惹かれたけど、それ以上に、平賀さんの仕事に関する姿勢や考え方、それにその穏やかな話し方にだ。
セミナ-が終わり、退席しようとする平賀さんに、私は夢中で近づいて行って話し掛けた。そんな私に、一瞬驚いたような視線を送った平賀さんは、でもすぐに笑顔になって、そのあと、その会社の社員食堂で、いろいろな話を聞かせてくれた。
その時、強引にお願いして、連絡先を交換させてもらって、就活上の相談や質問をさせてもらっているうちに
「ウチの会社は、決して大きくないから、躊躇ってたんだけど、でも実は若干名の新卒社員を募集してるんだ。もし興味があったら、一度来てみないか?」
と誘われた時は、思わず飛び上がった。もちろん面接や試験は、ちゃんと受けさせられたけど、それでも平賀さんの推薦という形だったから、内定はすぐに出た。
「岩武さんが、デザイナ-としてウチの会社にいたことを後悔させないようにするから、一緒に頑張ろうな。」
「はい、よろしくお願いします。」
こうして私は、この会社にファッションデザイナーの卵として就職した。尊敬する方の会社で、高校の頃から目指して来た職業に就くことが出来て、とにかく張り切っている。
従業員わずか20名程の小さな会社で、そのオフィスは、独立前の部のスペースを、そのまま親会社から間借りしてる形だった。
本社の建物自体は、契約している清掃会社が毎日清掃に入るが、独立して別会社になった我が社のスペースは、その対象ではなく、清掃会社を自力で頼む余裕もなく、結局自分達で、清掃をするしかなかった。
それを知った私達新人が、まだ仕事もちゃんと出来ないからと、先輩達に代わって、朝の清掃を買って出たのであって、決して強制や押し付けでやってるわけじゃない。
会社は親会社の仕事をメインに、他企業の下請け業務も一部請け負っている。
所長以下の役職者は本社役職との兼務者がほとんどで、実際にはあまりこちらには顔を出さず、営業部門の責任者である平賀さんが事実上のトップとして、実務を仕切っている。
お世辞にも大きな会社ではなく、親や友達にも心配されたが、別会社とはいえ、親会社のデザイン開発は一手に引き受けているし、他社との取引も徐々に増えている。
それに、なんと言っても私は、平賀さんと一緒に仕事がしたかったんだ。私と平賀さんの出会いは、ある企業のセミナ-で、講師に招かれていた平賀さんの話を聞いたことだった。
その時、私は平賀さんに惚れ込んでしまった。もちろんそのイケメンぶりにも惹かれたけど、それ以上に、平賀さんの仕事に関する姿勢や考え方、それにその穏やかな話し方にだ。
セミナ-が終わり、退席しようとする平賀さんに、私は夢中で近づいて行って話し掛けた。そんな私に、一瞬驚いたような視線を送った平賀さんは、でもすぐに笑顔になって、そのあと、その会社の社員食堂で、いろいろな話を聞かせてくれた。
その時、強引にお願いして、連絡先を交換させてもらって、就活上の相談や質問をさせてもらっているうちに
「ウチの会社は、決して大きくないから、躊躇ってたんだけど、でも実は若干名の新卒社員を募集してるんだ。もし興味があったら、一度来てみないか?」
と誘われた時は、思わず飛び上がった。もちろん面接や試験は、ちゃんと受けさせられたけど、それでも平賀さんの推薦という形だったから、内定はすぐに出た。
「岩武さんが、デザイナ-としてウチの会社にいたことを後悔させないようにするから、一緒に頑張ろうな。」
「はい、よろしくお願いします。」
こうして私は、この会社にファッションデザイナーの卵として就職した。尊敬する方の会社で、高校の頃から目指して来た職業に就くことが出来て、とにかく張り切っている。