愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
当たり前だよ、離れていれば愛が消えるなんてあり得ないよ!


なんて力強く言っちゃうけど、2ヶ月前だったら・・・どうだった、かな?


お盆休みに聡志に会うまでの私は、寂しくて、いろんな思いに揺れてて、正直不安定になってた。


でもあの日、聡志とお互いの気持ちをぶつけ合って、いっぱい抱き合って、愛し合って・・・。


あの時、フルスペックまで充填して解消出来た「聡志不足」は、だいぶまた進行して来ちゃったけど、私はちゃんと確認できた。離れていても、私達の心はいつも繋がってる、一緒だって。


ううん、そんなこと分かり切ってたつもりだったのに、たった半年余り離れ離れになって、なかなか会えなかったくらいで、ちょっとめげかけてた自分が恥ずかしい。


離れることで消えちゃう愛もあるかもしれないけど、必ず消えちゃうなんて、あり得ないよ。


私がそんなことを言うと、美優は我が意を得たりとばかり、頷いているけど


「いや、全部が全部そうだとは、もちろん言わないけど、やっぱりダメになっちゃう方が多いと思うけどな。」


ノムは自説を譲らない。 


「遠恋真っ只中の由夏がこう言ってるのに、ホント信じらんない。自分が彼女と別れたからって、由夏の足を引っ張りたいの?野村くん、最低!」


「ちょっと待てよ、俺は岩武達のことなんか、何にも言ってないだろ、一般論を言ってるだけだよ。」


美優のご機嫌を損ねて、慌てているノムに同情しながら、私はグラスを手に取った。


翌日、緊張して迎えた初めての1人での打ち合わせは、滞りなく終わった。


「由夏、ありがとう。頼もしい後輩が出来て、私は心強い。」


陽菜さんはそう言ってくれたけど、いえいえ、陽菜さんの前準備がしっかりしてたお陰ですから。


でも、今回のことが私の自信になったのは、間違いないことだった。
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