小さな小さな恋物語
放課後。
「春花ーっ!」
あ…彩だ…。
「よう。」
「ようっ!春花あ!」
「何?」
直也のこと?
言わないで…
彩の傷つく顔は見たくないの…
「えとね…」
「うん。」
「私。直也に聞いたの。
本当に私のこと好きっ?って。」
え…?
「アハハ。やっぱさ。春花にもし、瑠璃ちゃんのことが好きなんだよ。って言われたらやっぱ、悲しいじゃん。
それなら自分から気持ち確かめようって。
そっちの方が絶対スッキリすると思ったの。
やっぱり、直也は瑠璃ちゃんの事好きだった。
もしかしたら、龍も誰かのこと好きになるかもしれないじゃん。
ちょっと変だなって思ったら聞きなよ。」
彩はそう笑いながら話していた。
すごいな…。彩は。
龍…
「彩…ってか、ちょっと待って!うちは龍と付き合ってないっ!」
「アハハ。知ってるよ。だから告白しろよ。龍に。自分の気持ち伝えなよ。」
このときの彩はとても大人に見えた。
龍に…。告白しよう。