小さな小さな恋物語
「うそ…りゅ龍…?」

倒れてたのは龍だった。

龍は笑って、

「大丈夫?」

「大丈夫…?」

顔腫れてるじゃん…。

そんなヘナヘナな体で無理するから…

「っ…」

和はうちを殴れずに悔しそうな顔をしている。

「さすがにさぁ。ひでぇんじゃない?」

直也が話に入ってきた。

龍も負けじと、

「直也の意見に賛成だね。確かにひどいな」

和は、我に帰ったのか、

「ごめん」

と、謝ってくれた。

うちは聞いた。

「さっき、何話そうとしてたの?」

和は空を見て答えた。

「俺…瑠璃の事が好きなんだ」

「えっ?あやなに振られたから?だから、瑠璃を好きになったの?」

「いや…」

じゃあ何?なんで瑠璃を好きになったわけ?

「あやなに振られる前から、瑠璃の事、可愛いな。って思ってたんだよ。」

は?何それ。あやなに振られたから、

瑠璃の所来たと同じじゃん。

「そんなに、自分がモテると思ってるわけ?」

うちは聞いた。

「違う…」

「振られたらこの子にしよう。とか思ってるわけ?」

「…」

和は何も言わない。

「そんなんじゃ、一生彼女なんて、できないよ。和ってそんなに軽い男なんだ。」

うちは、思ってる事をすべて、ぶつけた。

和は、しばらく固まっていたが、

小さな声で、喋りはじめた。

「そう、思ってたのかもしれないな…心の中では。」

また10秒ぐらい黙った。

「告白なんて簡単にできたんだ。今までは。」

それって、今まで遊びだったんだ。告白と言う遊び。

本当に小学生なのか?和は。

「でも、瑠璃にはできないんだ。ただ、好きって言うだけなのに…」

あの時のうちと同じ事を言っていた。

…ただ告白するだけなのに…。いつ聞いても胸が痛い。

うちは、口を開いていった。




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