小さな小さな恋物語
<もおしもおしー>
電話の向こうからは
瑠璃の元気な声が聞こえてきた。
「あ。瑠璃ー? 大丈夫―?」
<うんー。大丈夫だよ~>
ホッと一安心。
「今日さあ、でかけるじゃんー。」
<そうだねえ>
「これる? 無理しなくていいからね-っ!」
<どうしよっかなー。 龍もいるんだよねえ?>
「うん。でも、もう一人男子が来るらしいよ。」
<そっかー。んじゃあいく―>
よかった…龍と二人きりなんて絶対無理っ!
「じゃあ、うちの家に500円持って集合ねー。10時までにはきてねえ」
<了解>
ツー
電話は切れた。
瑠璃といけるなんて嬉しいっ!
もう一人来る人って誰なんだろう…
直人だったらいいのになあ…
ピンポーン。
家にチャイムが響く。
「あーっ!真由ちゃんだっ!」
「友達ー?」
私が聞くとにっこり笑って、
「うんっ!」
と答えた。
そんなことより待て…
うち、まだパジャマじゃんっ!