小さな小さな恋物語
「離せよ。」
うちはなるべく冷たくした。
和は真剣な顔をして、こっちを向くと、
「違うッ・・・これには…その…わけがある。」
和の必死な姿を見たのは、相談を受けた時以来。
「わけ?」
和はコクリと頷くと、杏を呼んだ。
杏に、瑠璃と一緒にいることを命じ、うちの腕をひっぱって、
ゲーセンの奥の方へ連れてった。
そこで、和は語り始めた。
「俺…瑠璃が好きだ。でもさ…やっぱり、アヤナが・・・忘れられない。」
うちは無言のまま、話を聞き続けた。
「そんな気持ちを知った、杏が俺に話しかけてきた。」
杏が・・?
心の中でそう、ずっと思ってた。
「杏は俺に言った。「私の言う通りにすれば、アヤナと両想いになれるよ」ってね・・・」
杏…
ひどすぎ・・・