ただ俺たちは恋をした。
パシッ


誰もいないグラウンドに
ミットにボールが収まる音が響く。


パシッ


夏目はガキのように目を輝かせ
キャッチボールをしている。


俺はというと…
きっと嫌な顔をしているに違いない。


『いや~!!
久しぶりだけど楽しいなっ』


夏目は投げながら叫んだ。


夕日が夏目の後ろにあって
逆光であいつの顔が
見えなくなっている俺にとっては
「眩しい」というのが精一杯だった


もう後5分もすれば
夕日は完全に沈むだろう。


「そろそろアイディアでたか?」


『っしゃあ~!!
速いの行くぞっ』


聞いてないみたいだな…


というか逆光で速いボールは
見えな・・・・・・!?


バァン!!


顔面ボール直撃。


俺はそのまま倒れた。


起き上がるには頭がずきずきする。




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