ただ俺たちは恋をした。
パタパタパタ――・・・・・・


あぁ、夏目が走ってきてる。


『安井っ
ごめん!!大丈夫か?』


夏目は俺を焦った顔で見ている。


「おぉ、へーき・・・・・・へーき」


手でサインを送る。


『なんで見てたのに取れなかったの?』


…え?


「ゆ、夕日が眩しくて」


夕日の方向を指さした。


『え、夕日なんて
もうないじゃん?』


バカか、こいつは


さっきまであったんだよ。


あの辺明るいだろうが・・・・・・


と言いたいところだが


今はそんなこと言ってる場合じゃねぇ。


打ち所悪かったかな。





夏目唯
存在 ― キャッチボールをしたがる
     ガキでバカな友達

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