ただ俺たちは恋をした。
『あ、そうだったな』


思い出したように『そっか・・・・・・』と
頭を掻きながら呟いた。


ほっとした俺は
店内だということに気付き
慌てて夏目を押して外に出た。


今も客の冷ややかな目を思い出して
自分に幻滅する。


『じゃあおわびに俺の家来る?』


おわび?


なんでわびるために家なんだよ!!


と、つっ込みたかったが
我慢して頷いた。


きっと夏目のことだから
何か考えがあるのだろう。


おいしいご飯でも
ご馳走してくれるのだろうか?


俺の好きな歌手のCDでも
貸してくれるのだろうか?


そんな考えで頭がいっぱいになっていた。






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