ただ俺たちは恋をした。
『あ、飛行機雲』


前の席から声がした。


女の高い声ではなく。


男の声変わりが終わった後の
少し低めの声。


見るといるのは夏目唯(ナツメ ユイ)。


夏目も俺を見た。


『学級新聞頑張って作ろうぜ』


そう言うとにこーっと微笑んできた。


俺は
「おぅ」とだけ返した。


夏目は3つ前の席。


同じ学級新聞の班だった。









滅多に声をかけてこなかった夏目唯。


存在 ─ クラスメート

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