世界No.1の総長と一輪の花 ホワイトデー特別編
ホワイトデー
詩優side
3月14日、今日は土曜日。
いつもならゆっくり寝て、二度寝なんて当たり前。だけど、今日は一度目が覚めたらすぐに起き上がって出かける準備。
そんな俺を不思議に思ったのか、花莉は
「詩優?どこか行くの?」
気のせいか……何だか少し寂しそうな表情でそう聞いてきた。
「あー…うん。ちょっと、な」
そう返事をすれば、目の前の彼女は俯いて……。
寂しそうな表情は気のせいではない、と確信に変わった。
だから…
「…ショッピングモール行くんだけど、一緒に行くか?」
なんて聞いてしまった。
すると、花莉はすぐに顔を上げて。ぱああっと瞳を輝かせる。
ほんと、花莉はわかりやすい。
「行きたい…っ!!」
そう元気よく答えた彼女の頭を優しく撫でて
「10時にここ集合な」
「うん!!」
リビングで別れた。
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