メーティスの瞳
研究所のあちこちを洋一に案内すると、彼は「すごいな……」と真剣な表情で見て回る。そして、「ここって作るのにいくらかかったんだ?」と真面目な顔で訊いてきた。
「それは宍戸に聞かないとわからないな」
「宍戸?」
「俺の雇い主だよ。俺はそいつの助手をしている」
「へえ……。男?」
「いや、女」
「どんな人なんだよ、その女寄生虫学者ってのは」
洋一に訊かれ、透の胸が跳ねる。何と言っていいのかわからない。変わり者のくせに時々見せる表情が美しく、そのたびにこうして胸が高鳴る。これが何なのか、透にはよくわからない。
しかし、素直にそれを言うわけにもいかず、透は咳払いをした後にこう言った。
「美人なんだけど、めちゃくちゃ変わり者で人使いも荒い奴だ。あんなの一生恋人なんてできないだろうし、あいつと付き合うってことになったら相手の方がかわいそうだな。あれと付き合ったり結婚するっていうことは、ただの罰ゲームだと思う」
「それは宍戸に聞かないとわからないな」
「宍戸?」
「俺の雇い主だよ。俺はそいつの助手をしている」
「へえ……。男?」
「いや、女」
「どんな人なんだよ、その女寄生虫学者ってのは」
洋一に訊かれ、透の胸が跳ねる。何と言っていいのかわからない。変わり者のくせに時々見せる表情が美しく、そのたびにこうして胸が高鳴る。これが何なのか、透にはよくわからない。
しかし、素直にそれを言うわけにもいかず、透は咳払いをした後にこう言った。
「美人なんだけど、めちゃくちゃ変わり者で人使いも荒い奴だ。あんなの一生恋人なんてできないだろうし、あいつと付き合うってことになったら相手の方がかわいそうだな。あれと付き合ったり結婚するっていうことは、ただの罰ゲームだと思う」