メーティスの瞳
ペラペラと玲奈の悪口を言っていた透だったが、洋一が顔を真っ青にしていることに気付く。そして、後ろから殺気を感じた。

「へえ……あんたはそんな風に考えていたの……」

玲奈がニコリと笑う。その笑顔は、透が胸を高鳴らせる甘いものではなく、黒い闇を含んだ笑顔だった。透の顔も真っ青になる。

「あんたのカップ麺、私が食べるぞ」

「ちょ、それだけは勘弁！！俺マジで腹減って死にそうなんだって！！」

そう言い合う二人を見て、洋一が声を出して笑った。



それからリビングで一緒にお昼ご飯を食べながら透と洋一、そして玲奈は話していた。幸い、透が謝ると玲奈は許してくれたため、カップ麺を無事に食べることができた。

「へえ……倉本は感染症研究センターで働いているのか。さすが成績優秀のエリートだな！」

「いや、そんなことないよ。それより浜田がここで働いていることにびっくり」

お互いのことを話し、「忘れるところだった！」と洋一はかばんの中からおしゃれな箱に入ったお菓子を取り出す。
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