僕の匂いが好きらしい
体育の授業が終わった後、
着替えるのが遅いためか、空き教室には僕一人だった。


ドアを開けると、半泣きの彼女がいた。

嫌な予感がする。


「あ…」

僕はそっとドアを閉めようとする。

ガッ!

彼女はドアに靴をはさみ、無理やり入ってきた。


たじろぐ僕に、彼女は言った。



「嗅がせて」





……………ん?





……………………………………え?





「無理です」
僕はそっと答えた。
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