転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「二限目は、森に薬草を摘みに行く。準備をしておくように」 

学園内に森があり、そこで薬草採取を行うという。準備というのは、薬草を入れるかごとハサミを用意するくらいか。

学園の敷地内なので、魔物は出ない。安心安全の採取場所なのだ。

野外授業の道具が置かれている教室には、カゴやハサミなどの道具が山のように置かれていた。以前までは、“魔法薬学科”の生徒はそこそこいたのだろう。近年、“魔法騎士科”が誕生し、生徒がそちらに流れてしまったのだ。

各々好きな形のカゴを選んでいると、鼠妖精のネネとズズとミミが、“魔法薬学科”の薬草刺繍入りの外套を持ってきてくれた。

『これを着るといいでちゅ』

『まだまだ外は寒いでちゅうので』

『棘や尖った葉っぱもありまちゅのよ』

「ありがとう」

“魔法薬学科”の外套は、深緑色だ。ケープ状になっていて、フードも付いている。森には棘のある植物や、尖った葉っぱが自生しているというので、しっかりフードも被っておいた。

フロレンツィアはルビーをカゴの中に入れている。なんというか、過保護だ。ニコラはいつものように、赤ちゃん竜を肩に乗せていた。重くないのかと聞いたら、大丈夫とのこと。ちなみに、竜の名前は“デコ”らしい。
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