転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
ローデンヴァルト先生は立ち止まり、その場にしゃがみ込む。さっそく、薬草を発見したようだ。

「これは、ヒール薬草だ。冒険者が持ち歩くポーションの材料となる」

それは青みがかっていて、手のひらみたいな形をしている葉だった。ぼーっとしていたら、ただの野草だと思って見逃してしまいそうな素朴な見た目である。

他に、解毒薬の素材となる白キノコや、血止めの木の根、魔物避けの魔草など、次々と薬草を教えてくれる。

「ローデンヴァルト先生、覚えなければならない薬草の数って、どれくらいあるの?」

「“魔法薬学科”で扱うのは、たった三百種類ほどだ」

「た、たった!?」

私の反応に、ローデンヴァルト先生はニヤリと笑う。まるで、悪い奴が悪事を思いついたようなニヒルな笑みだった。
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