転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
そんな私が、頭上から冷水を浴びて我に返るような事件が起こる。知り合いの令嬢に招待された茶会で、ありえない人物が招待されていたのだ。
肩よりも短く切りそろえられたパステルピンクの髪に、おっとりとしたチョコレート色の垂れ目、平民生まれなのに品がある立ち姿――それは、“魔法学校のエーデルシュタイン”に登場する、主人公ニコラであった。
「グレーテ嬢、紹介いたしますわ。お父様が後見する、ニコラ嬢ですの。優秀な魔法の遣い手で、来月から魔法学校の第三学年に飛び級で仲間入りするそうよ」
言葉がでなかった。まさか、記憶にあるゲームのキャラが、目の前に生きていて私に微笑んでいるなんて。
「初めまして、ニコラ・マルクスと申します。グレーテ様のことは、魔法学校の先生方から聞いていました。とても、優秀だそうで」
もしも、この世界が“魔法学校のエーデルシュタイン”にあったものと同じだったら、主人公にも悪役令嬢にも関わらないでおこう。そう決意していたのに、早速出会ってしまった。本当に、ついていない。
去年から、貴族以外の魔法に才能ある者が入学するようになった。そのため、もしかしたら彼女もやってくるのではと危惧していたのだが……。まさか、こうして出会ってしまうなんて。
「グレーテ様、魔法学校で会える日を、心から楽しみにしています」
その日の私は、“魔法学校のエーデルシュタイン”の主人公ニコラに、引きつった笑顔を返すことしかできなかった。
肩よりも短く切りそろえられたパステルピンクの髪に、おっとりとしたチョコレート色の垂れ目、平民生まれなのに品がある立ち姿――それは、“魔法学校のエーデルシュタイン”に登場する、主人公ニコラであった。
「グレーテ嬢、紹介いたしますわ。お父様が後見する、ニコラ嬢ですの。優秀な魔法の遣い手で、来月から魔法学校の第三学年に飛び級で仲間入りするそうよ」
言葉がでなかった。まさか、記憶にあるゲームのキャラが、目の前に生きていて私に微笑んでいるなんて。
「初めまして、ニコラ・マルクスと申します。グレーテ様のことは、魔法学校の先生方から聞いていました。とても、優秀だそうで」
もしも、この世界が“魔法学校のエーデルシュタイン”にあったものと同じだったら、主人公にも悪役令嬢にも関わらないでおこう。そう決意していたのに、早速出会ってしまった。本当に、ついていない。
去年から、貴族以外の魔法に才能ある者が入学するようになった。そのため、もしかしたら彼女もやってくるのではと危惧していたのだが……。まさか、こうして出会ってしまうなんて。
「グレーテ様、魔法学校で会える日を、心から楽しみにしています」
その日の私は、“魔法学校のエーデルシュタイン”の主人公ニコラに、引きつった笑顔を返すことしかできなかった。