転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
ここで、ニコラがハッとなる。挙手して、発表してくれた。

「あの、魔法薬を入れる箱を、きれいなものにするのはいかがかなと!」

「なるほど。パッケージに工夫を凝らすのか」

いったいどのような箱に入れたらいいものか。日本で主流だった、常備薬を入れる木箱はどれも地味なデザインだった。

今度はフロレンツィアが閃いたようだ。

「でしたら、宝石箱のような、華美な箱に入れたらよいのではなくって?」

「それだ!」

とんとん拍子に話が決まっていく。ひとまず、文化祭での“魔法薬学科”の出し物は、魔法薬箱の販売となった。

宝石箱は、フロレンツィアの知り合いの商人に手配を頼むようだ。どうせ、客のほとんどは貴族である。多少販売価格が高くなっても、買ってくれるだろう。

話し合っているうちに、なんだか楽しくなる。ニコラやフロレンツィアがいなかったら、こんな気持ちにならなかっただろう。
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