転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
お昼時となり、食堂に移動する。本日も、鼠妖精達がおいしい料理を用意してくれていた。ローデンヴァルト先生は会議があるというので、いなかった。三人で、食卓を囲む。

本日の前菜は、クリームキノコパイだ。サクサクのパイに、キノコの出汁が滲んだクリームソースを絡めて食べる。

スープは野菜のコンソメスープである。具材は何も入っておらず、琥珀色のスープのみを味わうとっておきの逸品だ。

メインは、赤海老のバターローストだ。私の手のひらよりも大きな海老が、お皿にドン! と載っている。身はプリプリで、味が濃く、食べ応えがあった。

口直しの氷菓を食べているとき、フロレンツィアが突然話し始める。

「突然だけれど、わたくし、ヴォルフガング殿下と婚約破棄することにしましたの」

「え!?」

思いがけない報告に、言葉を失ってしまう。ゲームでのフロレンツィアは、ヴォルフガング殿下の婚約者であることに、誇りを持っていた。だから、間に割って入る形となった主人公を憎み、決闘を申し込んでしまったのだ。
< 157 / 245 >

この作品をシェア

pagetop