転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
ふと、記憶を甦らせる。数ヶ月前、ヴォルフガング殿下とニコラの間に割り込んで激昂するフロレンツィアも、瞳の焦点が合っていなかった。

私が気付くよりも先に、ニコラのほうがハッとなった。

「もしかして、ヴォルフガング殿下は闇魔法にかかって、操られているのでは?」

そうだ。焦点が合わない瞳を見たのは、フロレンツィアが闇魔法によって暗黒思考に陥っているときだった。

フロレンツィアは口元を押さえ、顔色を青くしている。

「ヴォルフガング殿下が闇魔法にかかっているとしたら、とんでもなく大変な事態ですわ」

「フロレンツィア、婚約破棄はいつ頃の話?」

「一週間前、ですけれど」

だったら、早急に対策を採らないといけないだろう。ただ、私達だけで行動しないほうがいい。一度、ローデンヴァルト先生に相談しなければ。
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