転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「ねえ、フロレンツィア。ニコラもだけれど、闇魔法使いが暗躍している事態について、どう思う?」

「赦せないです!」

はっきり言い切ったのは、ニコラだ。普段ほんわかしている彼女が、まっすぐな瞳で私を見つめる。

それに触発されたのか、フロレンツィアも顔を上げ、凜とした表情を見せる。

「わたくしも、絶対に赦せませんわ。犯人を捜し出して、罪を償っていただかなくてはならないと、考えております」

「そう」

闇魔法使いについては、ローデンヴァルト先生に報告している。きっと学校側にも報告し、調査を進めているはずだ。それなのに、解決したという報告はない。

こうなったら、ヴォルフガング殿下の身辺調査をして、闇魔法使いについて突き止める必要があるだろう。

「私達が首を突っ込むことではないと思うけれど」

ローデンヴァルト先生も、反対するかもしれない。

「けれど、これはわたくし達の問題でもありますわ」

「事件を素早く解決して、楽しい文化祭を過ごしましょう」

「ええ」

フロレンツィアとニコラの熱い思いに、胸がじんと温かくなる。

「もしかしたら、危険な目にも遭うかもしれないけれど」

「グレーテさん、大丈夫ですよ。私達だけではなく、ローデンヴァルト先生もいるわけですから」

「そう、だよね」
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