転生したら、モブでした（涙）～死亡フラグを回避するため、薬師になります～

談話室に移動し、ローデンヴァルト先生は慎重な様子で結界を張り巡らせる。会話が外に漏れないように魔法を施していた。これほど警戒するということは、今から話す内容は国家機密級の情報なのだろう。

長椅子に腰掛けたローデンヴァルト先生の表情は硬い。眉間の皺も、深く刻まれていた。

「実を言えば、俺はこの学校に教師をしにきたのではない。ある事件の真相を解決するために、やってきた」

「ええっ！？」

猛毒事件の罰で一年間教師をするよう命じられたというのは、ローデンヴァルト先生の任務を隠すための情報だったようだ。

「でもなぜ、国家魔法薬師のローデンヴァルト先生がそのような役目を？」

こういった仕事は、魔法騎士隊の隠密部隊がやっている。国家魔法薬師の仕事ではない。

「その事件について、何人もの魔法騎士が調査を行ってきたが、誰も解決できなかったからだ」

関わった騎士は軒並み、行方不明になっているようだ。