転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
最後に、私とモフタロウの戦闘能力を測る。モフタロウはやる気があるようで、毛並みを逆立たせた上に尻尾をぐるぐると振っていた。

「お前達はそうだな……」

「お手柔らかに、お願いします」

私の丁寧な懇願に返事をせずに、ローデンヴァルト先生は召喚札を投げる。魔法陣が浮かび上がった。光に包まれた中に、人型のシルエットが浮かぶ。

「あ、あれは……!?」

召喚されたのは、あろうことか私だった。

「な、なんなの!?」

魔法学校の制服に、波打った茶色の髪、緑の瞳に、眼鏡をかけた姿――朝、姿見で確認したそのままの私だ。絶対に、間違うわけがない。
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