転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
こうなったら、偽物に勝てる要素は、モフタロウとの思い出だけだ。出会った日の話をしてみる。
「モフタロウ、あなた、覚えているでしょう? 私と出会った日の話を!」
しょぼんと耳を伏せていたモフタロウであったが、私の話を聞いてピンと耳を立てた。が、ありえないことに、出会った日の話の続きを、偽物も話し始めたのだ。
『あなたは道ばたに捨てられ、誰にも気付かれることなく、震えていた』
どうやら、記憶までもコピーできるようだ。思わず頭を抱え込んでしまう。
再び、モフタロウはどちらが私かわからなくなっている。
しかし、このように完璧に擬態できる魔物や妖精、精霊の類いがいただろうか。
姿だけならまだしも、匂いや記憶までコピーできるなんてありえない。
「そうだ! そんな生き物、いないんだ!」
これは、魔法だ。対象に幻を見せ、実際にあるものだと思わせる、精神干渉系の魔法である。
「モフタロウ、あっちの私は、幻術でいると思わせている存在だから!」
いきなり幻術だと言われても、ピンとこないだろう。どうすればいいのか。何か証明しようとしても、相手も幻術を使って乗っかってくる。私とモフタロウについて知らなくても、知っているような暗示をかける魔法を使ってくるからだ。
幻術に打ち勝つ術はほとんどないと言われている。何をしても、真実だと精神に訴える効果があるからだ。
ただ、打開策は存在する。明確なイメージを脳裏に浮かべていたら、それに関しては幻術に惑わされないのだ。
幸い、私達には、独特なスキンシップがある。それで、本物か偽物か、確認できるはずだ。
「モフタロウ、あなた、覚えているでしょう? 私と出会った日の話を!」
しょぼんと耳を伏せていたモフタロウであったが、私の話を聞いてピンと耳を立てた。が、ありえないことに、出会った日の話の続きを、偽物も話し始めたのだ。
『あなたは道ばたに捨てられ、誰にも気付かれることなく、震えていた』
どうやら、記憶までもコピーできるようだ。思わず頭を抱え込んでしまう。
再び、モフタロウはどちらが私かわからなくなっている。
しかし、このように完璧に擬態できる魔物や妖精、精霊の類いがいただろうか。
姿だけならまだしも、匂いや記憶までコピーできるなんてありえない。
「そうだ! そんな生き物、いないんだ!」
これは、魔法だ。対象に幻を見せ、実際にあるものだと思わせる、精神干渉系の魔法である。
「モフタロウ、あっちの私は、幻術でいると思わせている存在だから!」
いきなり幻術だと言われても、ピンとこないだろう。どうすればいいのか。何か証明しようとしても、相手も幻術を使って乗っかってくる。私とモフタロウについて知らなくても、知っているような暗示をかける魔法を使ってくるからだ。
幻術に打ち勝つ術はほとんどないと言われている。何をしても、真実だと精神に訴える効果があるからだ。
ただ、打開策は存在する。明確なイメージを脳裏に浮かべていたら、それに関しては幻術に惑わされないのだ。
幸い、私達には、独特なスキンシップがある。それで、本物か偽物か、確認できるはずだ。