転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
すぐに、モフタロウへと命じる。

「モフタロウ、あっちの私に、モフモフしてもらいなさい!」

モフタロウは偽物に駆け寄り、ごろんと寝転がる。偽物はしゃがみ込んで、お腹を撫でてやった。その瞬間に、モフタロウは起き上がって偽物に噛みついた。

『ギャアアアアアア!!』

偽物は黒い靄となって消えた。モフタロウはしてやったりな顔で振り返る。

「モフタロウ、よくやった!」

走ってきたモフタロウの頭を、ガシガシと撫でてあげる。なんとか倒せて、ホッと安堵した。

「あの、ローデンヴァルト先生、さっきの召喚札はなんだったのですか?」

「幻術靄という、低位魔物だ」

「え、あれで低位魔物ですの?」

「戦闘能力は低かっただろうが」

「たしかに」

人を幻術で騙し、変化した本人に成り代わる恐ろしい魔物なのだとか。

「しかし、よく倒せたな。あのとき、お前の使い魔は、どうして偽物だと気付いたんだ?」

「モフタロウが寝転んだときの撫で方が違ったから」

「いつもは、どのようにしている?」

「足で撫でているの」 

「は?」
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