転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「たしかに、その言葉を知っていたら、学園長の言った“エーデルシュタイン”が気になるな」

ローデンヴァルト先生は腕を組み、険しい表情でいる。

「他に、気になることでも?」

「いや、実は、最初に学園長がもっとも疑わしいと考えていたから」

「えっ!?」

十年前の殺人事件の主犯を、学園長だと想定していたとは。平民の子どもを魔法学校に受け入れ、慈善活動に人生を捧げる学園長がそんな事件を起こすなど、考えられない。

「なぜ、学園長が疑わしいと思ったの?」

「貴族ではないのに、魔法学校の学園長の座に納まっていたからだ」

魔法学校の学園長は、代々歴史ある貴族の中から選ばれていたらしい。その中で、爵位を持たない富裕層の者が魔法学校お学園長になったのは、異例中の異例だった。

ただ、現在の学園長は、枢密院のメンバー二十名からの推薦を受けていた。そんな中で就任した文句なしの、人事だったようだ。
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