転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
彼女のせいで、私まで注目を浴びる結果となった。

「私、わからないことばかりで」

「わからないことは、クラス長が教えてくれるはず。腕にこういう、腕章を付けているから、すぐに見分けがつくから」

「ありがとうございます」

私の腕にも、腕章が巻かれてある。これは“魔法薬学科”のものだ。選択したのが私ひとりだけだったので、腕章を渡されてしまった。果たして、意味があるのか、謎である。

「グレーテ様は、“魔法騎士科”ではなく“魔法薬学科”なんですね」

「ええ、まあ……」

同じクラスではないからか、ニコラはしょんぼりしているように見えた。

「すぐに、誰かと仲良くなれるから、心配はいらないと思うけれど」

「ですが、グレーテ様みたいに、平民である私と分け隔てることなくお付き合いしてくれる方が、いるのか……」
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