転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
最後に、学園長から新任教師の紹介がなされる。

「今年は、新たな先生を一名迎えることとなった。アルノルト・ローデンヴァルト、前に」

きゃー! という、女子生徒の黄色い声が上がる。“アルノルト・ローデンヴァルト”とはいったい何者なのか。

黒い外套を颯爽と翻しながら、背の高い青年が学園長の隣に立つ。

年頃は二十歳半ばくらいだろうか? 

サラサラと銀色の髪に、青白い肌、それから気だるげな紫の瞳を持つ男性だ。女子生徒から「きゃーきゃー」言われるのも、納得するような整った顔立ちをしている。

学校内の教師がよくまとっている昼用礼装(フロックコート)姿であるが、シャツの色からタイ、上着、ズボンに至るまですべて黒で統一している。葬式でしか見かけないような、黒衣であった。

それにしても、非常に顔がいい。

王太子ヴォルフガングは正統派の美形だが、こちらは悪役的な、怪しい美形である。
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