転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
ここで、時計塔の鐘が鳴り響く。これは、授業が始まる三十分前を知らせるものだ。
講堂と校舎が並ぶこの場所から、“魔法薬学科”の校舎まで馬車で三十分かかる。
「うわっ!!」
「どうしましたの?」
「ごめん、また今度! 遅刻する!」
挨拶もそこそこに全力疾走する。残念ながら、“魔法薬学科”校舎行きの馬車は、すでにいなくなっていた。頭を抱え込んでいたら、パカラ、パカラと馬の蹄鉄の音が聞こえ、私の目の前で停まった。
「何をしている?」
「へ!?」
顔を上げると、アルノルト・ローデンヴァルトが冷たい眼差しを私に向けていた。信じられないことに、彼が跨がっているのは馬ではない。馬の下半身に、鷲の頭に翼、そして上半身を持つ幻獣、“ヒポグリフォン”である。
「あの、先生、お、おはよう」
挨拶をしただけなのに、カッと目を見開いて私を見下ろしてくる。おはようなんて言っている場合ではなかったか。
「ごめんなさい。なんか、いろいろしていたら、“魔法薬学科”校舎行きの馬車に乗り過ごしてしまって」
「それで?」
「えー……」
こういう場合、自分で馬車と運転手を借りられる。もちろん、有料だが。今から頼んだら、到着は五十分後くらいか。完全に、遅刻である。
講堂と校舎が並ぶこの場所から、“魔法薬学科”の校舎まで馬車で三十分かかる。
「うわっ!!」
「どうしましたの?」
「ごめん、また今度! 遅刻する!」
挨拶もそこそこに全力疾走する。残念ながら、“魔法薬学科”校舎行きの馬車は、すでにいなくなっていた。頭を抱え込んでいたら、パカラ、パカラと馬の蹄鉄の音が聞こえ、私の目の前で停まった。
「何をしている?」
「へ!?」
顔を上げると、アルノルト・ローデンヴァルトが冷たい眼差しを私に向けていた。信じられないことに、彼が跨がっているのは馬ではない。馬の下半身に、鷲の頭に翼、そして上半身を持つ幻獣、“ヒポグリフォン”である。
「あの、先生、お、おはよう」
挨拶をしただけなのに、カッと目を見開いて私を見下ろしてくる。おはようなんて言っている場合ではなかったか。
「ごめんなさい。なんか、いろいろしていたら、“魔法薬学科”校舎行きの馬車に乗り過ごしてしまって」
「それで?」
「えー……」
こういう場合、自分で馬車と運転手を借りられる。もちろん、有料だが。今から頼んだら、到着は五十分後くらいか。完全に、遅刻である。