転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「事務局に行って、馬車を用意してもらいま――」
「時間の無駄だ。後ろに乗れ」
「へ!?」
アルノルト・ローデンヴァルトはヒポグリフォンの背から飛び降り、伏せるように命じる。馬よりも大きいヒポグリフォンを前に狼狽えてしまったが、腹を括るしかない。勇気を出して、背中の鞍に座る。スカートなので、跨がるわけにはいかないのだ。シートベルトなんてないので、若干、心細さを感じるが……。
ヒポグリフォンは大人しく、私が乗っても『クルッ?』と可愛らしい声で鳴くばかりであった。近くで見ると、目がくりくりしていて、可愛い。獰猛な鷲という感じではなく、フクロウみたいなビジュアルだ。
後ろに、アルノルト・ローデンヴァルトが跨がった。思いがけず密着状態となったので、落ち着かない気分になる。だが、そんなことを気にするのも一瞬のうちだった。
「使い魔は、あとを付いて来られるな?」
「大丈夫かと」
一応、モフタロウにはしっかり付いてくるように命じておいた。ヒポグリフォンを警戒しているようだが、さすがに幻獣相手に吠えてかかることはしないようだ。
「では、行くぞ」
「はい」
そのまま校舎のほうへ走ると思いきや――ヒポグリフォンは軽い助走をしたのちに、翼を広げてはためかせる。大きな体は、あっという間にふわりと宙に浮いた。
「うわっ!?」
まさか、空を飛ぶとは。いや、ヒポグリフォンなので、不思議ではないが。
ヒポグリフォンなんて、百年以上目撃情報がなかった稀少な幻獣である。いったいどこで出会い、契約を交わしたのか。
「時間の無駄だ。後ろに乗れ」
「へ!?」
アルノルト・ローデンヴァルトはヒポグリフォンの背から飛び降り、伏せるように命じる。馬よりも大きいヒポグリフォンを前に狼狽えてしまったが、腹を括るしかない。勇気を出して、背中の鞍に座る。スカートなので、跨がるわけにはいかないのだ。シートベルトなんてないので、若干、心細さを感じるが……。
ヒポグリフォンは大人しく、私が乗っても『クルッ?』と可愛らしい声で鳴くばかりであった。近くで見ると、目がくりくりしていて、可愛い。獰猛な鷲という感じではなく、フクロウみたいなビジュアルだ。
後ろに、アルノルト・ローデンヴァルトが跨がった。思いがけず密着状態となったので、落ち着かない気分になる。だが、そんなことを気にするのも一瞬のうちだった。
「使い魔は、あとを付いて来られるな?」
「大丈夫かと」
一応、モフタロウにはしっかり付いてくるように命じておいた。ヒポグリフォンを警戒しているようだが、さすがに幻獣相手に吠えてかかることはしないようだ。
「では、行くぞ」
「はい」
そのまま校舎のほうへ走ると思いきや――ヒポグリフォンは軽い助走をしたのちに、翼を広げてはためかせる。大きな体は、あっという間にふわりと宙に浮いた。
「うわっ!?」
まさか、空を飛ぶとは。いや、ヒポグリフォンなので、不思議ではないが。
ヒポグリフォンなんて、百年以上目撃情報がなかった稀少な幻獣である。いったいどこで出会い、契約を交わしたのか。