転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
まずは、談話室で紅茶をいただく。授業前にお茶を飲むなんてありえない。だが、少数クラスの特権だと思うようにしていく。

ミルクと砂糖をたっぷり入れた紅茶に、木イチゴのタルトが添えられた。まさか、今日もお菓子付きだなんて。

『森で採れた木イチゴのタルトでちゅ』

『昨日、採りに行ったんでちゅう』

『木イチゴは新鮮で、とってもおいしく仕上がっていまちゅわ』

「ありがとう」

ローデンヴァルト先生は甘いものが好きなのだろう。無表情ではあるものの、砂糖たっぷりのミルクティーをごくごく飲み、木イチゴのタルトをどんどん食べ進めている。

私も、いただく。木いちごのタルト台はサクサクのクッキーで、甘酸っぱい木イチゴと中に敷かれた甘いカスタードの相性は抜群である。この木イチゴのタルトと、ミルクティーは最強の組み合わせだった。鼠妖精達に「おいしかった」と伝えると、しっぽをピンと立てて、嬉しそうに飛び跳ねていた。

鼠妖精はなんて可愛い妖精さんなのか。ツンと澄ましていた悪役令嬢フロレンツィアも、鼠妖精を前にしたら笑顔になるに違いない。
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