転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
第三章 子爵令嬢グレーテは、魔法薬を習う
授業開始前に、モフタロウが校舎に到着する。
「ローデンヴァルト先生、この子は私の使い魔である、モフタロウというの」
「は!?」
ローデンヴァルト先生は「人でも殺してきたのか!?」と、問うような鋭い眼差しで私を見る。愛玩用の犬を使い魔として選んだので、驚いているのだろう。
「こう見えて、モフタロウは獰猛な犬なので、なるべく触らないように――」
「これがただの犬なわけがあるか!」
「はい?」
ローデンヴァルト先生はモフタロウをビシっと指さし、叫んだ。
「それは、“ベルブスト・ライスフェルト・フント”という、高位魔犬だ!!」
「魔犬って、魔族の?」
「そうだ」
モフタロウを見下ろす。小首を傾げ、尻尾をゆらゆら振っていた。どこからどう見ても、ただの秋田犬にしか見えない。
「ありえない。魔犬を使役するなんて、聞いたことがない」
「本当に魔犬なの? 私にとっては、少し凶暴なだけの愛犬なんだけれど」
「この辺りでは、見かけない犬だろうが!」
たしかに、言われてみればモフタロウは普通の犬とは大きく異なる。見た目も、大きさも、強すぎる忠誠心も。ローデンヴァルト先生に指摘されるまで、気づかなかったけれど。
「ローデンヴァルト先生、この子は私の使い魔である、モフタロウというの」
「は!?」
ローデンヴァルト先生は「人でも殺してきたのか!?」と、問うような鋭い眼差しで私を見る。愛玩用の犬を使い魔として選んだので、驚いているのだろう。
「こう見えて、モフタロウは獰猛な犬なので、なるべく触らないように――」
「これがただの犬なわけがあるか!」
「はい?」
ローデンヴァルト先生はモフタロウをビシっと指さし、叫んだ。
「それは、“ベルブスト・ライスフェルト・フント”という、高位魔犬だ!!」
「魔犬って、魔族の?」
「そうだ」
モフタロウを見下ろす。小首を傾げ、尻尾をゆらゆら振っていた。どこからどう見ても、ただの秋田犬にしか見えない。
「ありえない。魔犬を使役するなんて、聞いたことがない」
「本当に魔犬なの? 私にとっては、少し凶暴なだけの愛犬なんだけれど」
「この辺りでは、見かけない犬だろうが!」
たしかに、言われてみればモフタロウは普通の犬とは大きく異なる。見た目も、大きさも、強すぎる忠誠心も。ローデンヴァルト先生に指摘されるまで、気づかなかったけれど。