転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
なんだかしんみりしてしまった。鼠妖精達が、心配そうに私とローデンヴァルト先生を交互に見つめている。

「グレーテ・フォン・リリエンタール、気まずい者同士、昼食をいただこう」

「ええ」

まずは前菜から。キノコとベーコンのキッシュは、小さくカットされていたので、パクリと一口で食べてしまう。

続いて運ばれてきたスープは、アスパラガスのポタージュである。新鮮な、春の味という感じだ。とても濃厚で、おいしい。

ちなみに、この世界の食材は名前は違えど、見た目や味は地球とほぼ一緒である。“魔法学校のエーデルシュタイン”を元にした世界だからだろうか。その辺の仕組みはよくわからない。

メインは魚料理。白身魚の表面にパン粉を振り、カリカリに焼かれたもの。柑橘系のソースと合わせると、サッパリ食べられる。

メインの二品目は、肉料理。牛肉をワインで柔らかく煮込んだものだ。力を入れずとも、ナイフでお肉がさっと切れる。舌の上でとろける、おいしい一品だった。

出てくる料理のすべてがおいしい。可愛くて料理上手だなんて、鼠妖精のネネとズズとミミ、最高! と叫びたくなった。
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