転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
三十分後――埋めた土を掘り返し、鍋を取り出す。蓋を開くと、こんがり焼けたジャガイモができていた。もってきていたお皿に載せて、ナイフでジャガイモに十字の切り込みを入れる。そこに、バターの塊を落としてくれた。

「ああっ!!」

これは食べずとも、絶対においしいとわかるやつだ。ふたり分用意し、ローデンヴァルト先生は片方を差し出してくれた。

「ありがとうございます。いただきます」

「皮もうまいから、食べろ」

ローデンヴァルト先生に言われた通り、ナイフでジャガイモを皮ごと削ぎ、スプーンで掬って食べた。

皮はカリカリしていて香ばしく、ジャガイモはほくほくに焼かれていた。バターの風味が、大変すばらしい。口の中ではふはふと冷ましながら、堪能させてもらった。

鼠妖精のネネが、木イチゴサイダーを持ってきてくれる。アツアツのジャガイモを食べたあと、キンと冷えた木イチゴのサイダーを飲む。口の中を爽やかにしてくれた。

極上の、三時のおやつだった。
< 72 / 245 >

この作品をシェア

pagetop