転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「やはり、グレーテ・フォン・リリエンタールは変わっている」
「それは……まあ」
前世の記憶が甦った者など、そうそういないだろう。
「昨日の印象では、淡泊な性格だと思っていたが、思い違いだったようだ」
「ああ、そう、かもしれない」
私自身も、自分の性格は何をするにも冷めていて、無感動だと思っていた。
しかし、前世の記憶が戻ってから、なんだか変わった気がする。
なんだろうか、この現象は。前世と今世の意識が混ざり合ったと言えばいいのか。
散々、前世の自分を否定していたのに、いつの間にか受け入れて、私の中に溶け込んでいた。
前世のゲームにハマっているだけだった自分をなんとなく嫌だと感じていたのに、今はなんとも思わない。本当に、不思議なものである。
「私、多分、今まで流されるままで……。自分で何かしようと、思わなかった」
けれど、自力で死亡フラグを回避し、“魔法薬学科”を選択した。そして、フロレンツィアを助け、ここでやりたい目標を発見できたのだ。
「なんだか、今日一日、ワクワクして、とても楽しかった。こんな気持ちは、初めてだったかなと」
ローデンヴァルト先生は返事をせず、鍋を片付けておくように命じるばかりであった。
「それは……まあ」
前世の記憶が甦った者など、そうそういないだろう。
「昨日の印象では、淡泊な性格だと思っていたが、思い違いだったようだ」
「ああ、そう、かもしれない」
私自身も、自分の性格は何をするにも冷めていて、無感動だと思っていた。
しかし、前世の記憶が戻ってから、なんだか変わった気がする。
なんだろうか、この現象は。前世と今世の意識が混ざり合ったと言えばいいのか。
散々、前世の自分を否定していたのに、いつの間にか受け入れて、私の中に溶け込んでいた。
前世のゲームにハマっているだけだった自分をなんとなく嫌だと感じていたのに、今はなんとも思わない。本当に、不思議なものである。
「私、多分、今まで流されるままで……。自分で何かしようと、思わなかった」
けれど、自力で死亡フラグを回避し、“魔法薬学科”を選択した。そして、フロレンツィアを助け、ここでやりたい目標を発見できたのだ。
「なんだか、今日一日、ワクワクして、とても楽しかった。こんな気持ちは、初めてだったかなと」
ローデンヴァルト先生は返事をせず、鍋を片付けておくように命じるばかりであった。