転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
入学後、一年から二年の間に魔法の基礎を習う。

魔力には属性があり、基本的には四大属性――火、水、土、風に分かれている。それ以外に、上位属性である炎、氷、嵐、光、闇、雷などもある。これらを先天的に持って生まれるのは、千人にひとりと言われていた。

私達の学年には、その千人にひとりの上位属性を持つ者がいたのだ。

公爵令嬢であり、“魔法学校のエーデルシュタイン”では“悪役令嬢”と呼ばれていたフロレンツィア・フォン・ヘルフェリヒだ。

ゲームの世界だけでなく、現実にも彼女は存在する。

いつも取り巻きに囲まれ、女王然としていた。

切れ長の瞳に、整った鼻筋は美しく、弧を描いた唇は余裕たっぷり。くるくると巻かれた金の巻き髪は女子生徒の憧れなのだとか。

ここまで、まったくゲームと同じである。ここから先が、まだ私が今世で見ぬ展開だ。
< 9 / 245 >

この作品をシェア

pagetop