世界中が敵になっても私を好きでいてくれますか
その日の夜

「外大丈夫だった?」

「うん。周りには誰もいなかったし大丈夫だよ!」

いつどこで誰が見ているかわからない

もしバレた時、メンバーのみんなにも、会社にも、親にも、もちろん晴にも迷惑をかけることになる

考えただけで震えてくる

「そんな写真撮って何が楽しいんだろう」

晴が上着を脱ぎながら聞いた

「でもさ、自分で言うのもだけど、俺らみたいな有名人のスクープを待ち望んでいる人もいるんだよ。その決定的瞬間をおさめるために毎日仕事してる人が…」

だから一緒に外に遊びに行くことなんてできるわけがない

ごめんな

普通の恋愛できなくて…

「私は…私は別に普通のカップルみたいに遊び行ったり、買い物したりしたいわけじゃないよ?」

「え?」

「だって今、そう思ってるでしょ? 俺のせいでって…」

あぁやっぱり晴には見透かされちゃうな

晴の小さい体に包まれた

「私は…蓮と一緒にいれるだけで充分幸せだよ」

そのぬくもりが彼女の小さな体を大きく感じ
させた

「1人で抱えこまないで? ずっと私がいるから」

大粒の涙が溢れてきた

「うっ……っ」

すると晴は優しく蓮の頭をなでた

誰かの前でこんなに泣いたの初めてかもしれない

人間ってこんなに弱いんだな

今までこんなこと思ったことなんて1度もなかった

きっと今の俺は晴という存在がいてくれないと前に進めない
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