世界中が敵になっても私を好きでいてくれますか
【蓮side】

俺はあの夜彼女に恋をした

自分のことは考えず、相手を助けるその姿に惚れた

ある日彼女から電話がかかってきた

声が聞きたいと

しかしその途中彼女からの電話は突然切れた

最後に聞こえたのは

"お母さんだなんて思ったこと1度もない"

俺には最後の彼女の足掻きのように思えた

そして同時に彼女を1人にしたはいけないと…

その後蓮は彼女の家に向かった

部屋はとても荒れていて

顔をうずめている彼女がいた

「はるちゃん…!」

「龍さん…」

顔を上げた晴は蓮の顔を見て我慢できなくなったように泣いた

「大丈夫だよ」

蓮は晴の背中を擦りながらそう言った

それから数十分が経った

「ごめんなさい。全然関係のないあなたにこんなに迷惑かけて…」

晴は少し蓮から距離を置いて話した

「でもありがとうございます。あのまま1人でいたら、きっと耐えられなかったから」

「なんか1人にしちゃいけないと思ったんだ。気づいたらここに来てた」

泣いている彼女を綺麗だと思った

そして今彼女に触れたい

早く安心させてあげたい

蓮は優しく晴を抱きしめた

「蓮さん…?」

「お願い。もう少しだけこうさせて」

それならどれくらい時間が経っただろう

時間の感覚が分からなくなるほど

この時俺は彼女を守りたいって

俺が彼女の傍にいてあげたいと

そう思った
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