世界中が敵になっても私を好きでいてくれますか

そんなに俺のこと信じられないのかよ

今日はForeverのコンサートの日

Vo.霧山蓮
Gt.北村綾斗(キタムラ アヤト)
Ba.櫻田宏(サクラダコウ)
Dr.相澤大雅(アイザワ タイガ)
Key.倉越春樹(クラコシ ハルキ)

Foreverは5人で活動している

仕事をしている彼を初めて見る

「わぁ。ライブとか来るの初めて」

詩織に話をもちかけると即答で行く!と返事をした

ワクワクした気持ちで席に座った

蓮、きっとかっこいいんだろうな

私達は付き合ってからお互いを呼び捨てで呼ぶようになった

「でもさよくチケット取れたね!人気すぎて取れないっていうのに」

「行けなくなったからって友達に譲ってもらったんだ…!」

って本当は蓮にもらったんだけど…

開始5分前

会場全体からはコールが始まり、やがて彼の声とともに歓声が湧き起こった

「騒げぇぇぇ!!」

「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」

凄い…

蓮のこんな姿初めて見た

彼の歌声

笑顔

ダンス

こんなの見て惚れない人なんていないよ

そんなことを考えている間に前半が終わってしまった

前後半の間に入るMC

大雅が言った

「なんかさ蓮今日調子いいな」

「それな!なんかいい事あった?」

春樹がニコニコした顔で聞く

「え、特にないけど?」

蓮はタオルで汗を拭きながら答えた

「絶対あるやつやん、それ」

「だから何も無いって!」

「もしかして彼女できたん?」

綾斗の言葉に一瞬しーんと会場が静まりかえった

しかしその直後にみんなが顔を見合わせ笑った

「そんなのあるわけないよな?」

「やめろよ綾斗!変な空気になったじゃねーか!」

するとその空気を変えるために春樹が話し始めた

「いやいや!アイドルだって恋はするものです。蓮くんの初恋みんなに語ってあげてよ」

ファンのみんなから歓声が広がる

「はぁ仕方ねーな」

蓮は笑ってそう答えた

「俺の初恋の人は、自分を犠牲にしてでも誰かのために動ける人です。でも弱いところはとことん弱くて守ってあげたくなる感じ」

「ずいぶん具体的だな」

宏の言葉に龍は悪いか!と照れながら言った

まって、それって…

バカ

私まで照れちゃうじゃん

すると隣のファンの子の話が聞こえてきた

服装を見ると蓮のファンの子だということがわかる

「蓮くんに好かれてみたーい!いーなぁその子」

「それな!1度でいいから目の前で好きって言われたい」

龍がみんなに愛されてて嬉しい

でも私はこういう人達の言葉をずっと聞いていられなかった


その日は昼間しか公演がなかったため

2人は夜に晴の家で会う約束をしていた

ピンポーン

インターホンがなり晴は家の中に蓮を入れた

コンサートが終わって急いで来たのだろう

少し呼吸が乱れた彼はそのままソファに座った

「今日はお疲れ様!本当にかっこよかった」

「まーな」

照れたように後ろを向いてしまった

今日、コンサートに行って生でみんなのことを見て

Foreverの人気の理由がよくわかった

「あとさ…初恋の話」

蓮はあっ。と言い

慌てて顔の前で手を合わせた

「違うの!嬉しかったから。ありがとうって言いたかった」

「言おうか迷ったんだけど、そう思ってくれたんだったら言ってよかった」

「あの瞬間だけ、みんなに認めてもらえてるんだなって思えた」

ニコッと笑うと

晴を胸の中へと引き寄せた

「瞬間だけとか言うなよ。いつか絶対認めてもらえるようにするから」

優しい彼の声が耳元で聞こえた

私と彼の体温と同じになっていくのを感じた

晴の頬に手を添え

2人はキスを交わした
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