世界中が敵になっても私を好きでいてくれますか
そして2日後

ピンポーン

インターホンがなり

出てみるとなんとそこにいるのは息を切らせた龍だった

晴は一瞬びっくりしたが

何も言わず蓮を部屋にあげた

椅子に彼が座ってすぐに口を開いた

「あの…本当にごめん。話がしたいから会いたいって電話で言おうとしたんだけど、出なかったから直接来た」

「…」

「でもあれは嘘だから。信じてほしい」

そんな言葉もう…

「信じられるわけないじゃん…」

晴は机を叩きながら言った

「あんなの見せられて信じられるわけない!! 」

「連絡しても出ないし、かけ直してくれるのかなって思ったら5日間も連絡ないし!信じてくれって言ってるけど、だったら説明してよ! なんであの人のマンションで会ってんの?」

涙が溢れ出した

蓮はどんな顔してるんだろ

涙のせいでよく見えない

「あの時はドラマの打ち合わせで、都合上真希さんの家で打ち合わせすることになったんだよ。でもマネージャーもいたし…」

「まわりを注意してなかったのは謝る。でも真希さんとは何もないんだって!」

蓮が声を張り上げた

「…」

「他のだって、あの写真だけみたら2人で会ってるように見えるけど、角度で2人しか見えないようになってたり、その後スタッフさんや共演者の方と合流してたりって、こんな写真だけで信じないでくれよ」

「じゃあなんで連絡してくれなかったの?信じて欲しいなら連絡するでしょ!普通」

どうしよう

自分の気持ちが抑えられない…

「連絡したかったよ!でもいろいろ忙しくて、真希さん側との話し合いもあって…会いに行きたかったし、声も聞きたかったよ」

蓮は声が震え、涙目になっていた

「不安なの。普段は女の子相手にする仕事だし、ただの龍のお荷物になってるだけかもって… いつ龍が私を手放すかわからない」

信じたいよ

疑いたくないけど

不安なんだよ

「そんなに俺のこと信じられないのかよ!だいたい晴だって、何度も何度も電話したけど出なかった。そんだけ俺への信じたいって気持ちがなかったんだろ?」

「自分勝手に疑ってるだけじゃねーか!」

こんなに怒ってる龍を初めて見た

「仕方ないじゃん!蓮のファンの子を見るのがつらいの。もともと住む世界が違うんだよ!蓮のお荷物になりたくない。もう蓮が何を言っても信じられない」

「は? 本気でそう思ってんの? もう勝手にしろよ…」

「勝手にするよ! もう出てって! 出てってよ!」

晴は蓮を無理やりドアの方まで押した

そして龍は黙って出ていってしまった

彼が居なくなった部屋

ただ聞こえるのは私が泣いてる声だけ

終わった…

あぁなんであんなこと言っちゃったんだろう

子供みたい…

もう取り返しなんてつくはずない

ごめんなさい
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