人生を1億円で売りました。

恭吾「話の内容を聞いてもいいですか?」

そして、聞いた。
私の知らない父と母の話を。

結悠「うちの両親は学生結婚だったんです。
大学在学中に私を身籠り結婚して
2人共大学を辞めて…父は働き始めました。
随分と苦しい思いをしていたそうです。
両親に結婚を反対されて…2人だけで
生きて行くしかなかった。」

その話は聞いていた。お母さんから。

結悠「私を育てる為に…父は
アルバイトをかけ持ちして
ようやく1つの会社に正式採用されて
母も慣れない育児を一生懸命に
頑張って…幸せになりかけた矢先
父はリストラに遭いました。
働けなくなった。だけど家族を
養わなくちゃ…。
そんな中で見つけた仕事。
それが…詐欺…でした。」
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