人生を1億円で売りました。
この言葉だけを切り取れば
相当ヤバい人だと思われるだろう。
だけど、私にとっては
神のお告げと同じくらい
有難い言葉だった。
結悠「...お願いします。」
というのも、私には
約1億円の借金があるからだ。
甲斐性なしのバカ親父が
作った数億円の借金。
身を粉にして働いたお母さんが
亡くなって早2年。
給料のいいクラブで働いて
コツコツと返済してきたけれど
途方もないその額に嫌気が差していた。
返しても返しても終わらない
借金地獄からようやく抜け出せる。
数回しか話した事はないけれど
このまま働き続けるよりはマシだと
心が叫んでいた。
…私はとうの昔に限界だった。