人生を1億円で売りました。
抱き締めてくれた笹倉さんの
温もりに安心するなんて。
…本当に最悪だ。
結悠「…離して…ください…」
お金を払って貰った上に
迷惑までかけて…その温もりに
安心するだなんて
本当に…烏滸がましい。
恭吾「離しませんよ。
…震えてるじゃないですか。」
結悠「今日は少し肌寒いので。」
恭吾「では、その震えが治まるまで
こうさせて下さい。…僕には権利が
ありますよね?事実上とはいえ
夫婦なのですから。」
この人は…本当に、ズルい。
そんな事を言われれば…私が
拒否出来ない事を知っている。
なのに、ズルいと思うのに…
泣きたくなった。
その優しさに…泣きたくなった。