人生を1億円で売りました。

私はずっと1人でも平気だと思っていた。

お母さんがいなくなった事は
確かに悲しかったけど…
その悲しみの余韻に浸る間もなく
借金に追われた。

働いて働いて…。色んな事を
思い出さない毎日を続けていたら
いつの間にか本当に
思い出せなくなっていた。

だけど、余裕が出来た。
この1週間は家事に没頭して。
どうすれば笹倉さんに
喜んで貰えるのかを考えて…
でも、何をしても笹倉さんは
当たり前に喜んでくれて…
糸がぷつりと切れてしまった。
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