人生を1億円で売りました。

だから、あの夢だ。
過去の夢だ。思い出したくない夢だ。
私が辿ってきた最悪な人生を
強制的に思い出させる夢だ。

本当は…知っている。
私は弱い。私は無価値だ。

笹倉さんは言った。
借金から解放されれば
いつでも逃げられると。

私のこれからの人生を笹倉さんに
捧げてもいいのか?と問いかけた。

本当は…知っていた。
1億円の値段をつけて貰える程の
人生なんて、私は送っていないんだと。
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