人生を1億円で売りました。
体育館を出るとさっきまでの
熱気が嘘かの様に肌寒かった。
結悠「…私のため…ですよね?
今日、あそこに連れて行ってくれたのは。」
恭吾「いえ。後輩の試合を
見に行きたかったので。
僕のワガママですよ。」
ーチリンチリン
遠く近いどこかの家の風鈴の音。
恭吾「まだ3月だというのに風鈴とは
随分とあわてんぼうですね。」
あわてんぼう…って…。
笹倉さんはやっぱり可愛い。
結悠「ふふ、はははっ。」
恭吾「どうかされました?」
結悠「いえ、すみません。
あわてんぼうだなんて
笹倉さんが可愛い事を言うので。」