ドラゴン・ノスタルジア
「集まる場所ならあるけど…」

 りっちゃんと凌太と私は、ぽかんとしながら大地を見つめた。

「場所って?」

「どこ…?」

「…騒々しくて、落ち着かない場所だけどな」

「マジ…?」

「それでも集まれるならいいよ!ありがとう、大地!」

 凌太とりっちゃんは喜んだ。

「…結月にもう一度連絡してみる」

 私が言うと、りっちゃんは心配そうに聞いてきた。

「あ、そだ、ユヅからまだ返事来ないの?」

「…うん」

 空が夕陽に染まり、
 そろそろ日が暮れる。

 鳥居と神社の中間にいた私達の元に、梅ばあちゃんが神社の方から、叫び声をあげながらこちらに駆けて来る。

 大地は梅を見ると、驚いて叫んだ。

「げ!梅だ!!」

 りっちゃんと凌太は顔を見合わせた。

「なんか大地に怒ってるみたいだな、あのばあさん」

「暗くなってきたし、帰ろうか私達」

「ああ」

 私は二人にお礼を言った。

「来てくれてありがとう」

「さくらの誕生会、絶対実現させるからね!」

 私は頷いた。

「会えて嬉しかった!りっちゃん、凌太」

「私も!」

「またな。大地も」

 大地は頷き、微笑んだ。

「またな」

「明後日、楽しみにしてるね!」

「俺も!」

「じゃあね、さくら!」


 私は泣きそうになりながら、二人に手を振った。


 二人は笑ってこちらに手を振り、帰って行った。


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